手首や親指の痛みは腱鞘炎かも?原因・起こりやすい動作・悪化を防ぐためのセルフケア

最近、手首や親指の付け根がズキッと痛む、動かすと違和感がある──そんな症状がある場合、「腱鞘炎(けんしょうえん)」の可能性があります。
腱鞘炎は、日常生活の中で誰にでも起こり得る炎症で、特に現代ではスマートフォンやパソコンの長時間使用などが原因となることが増えています。
◆ 腱鞘炎とは?
腱鞘炎は、筋肉と骨をつなぐ「腱(けん)」が通るトンネル状の組織「腱鞘(けんしょう)」に炎症が起きる状態を指します。
腱が腱鞘の中でこすれることで摩擦が生じ、腫れや痛み、動かしにくさを感じるようになります。
炎症が進むと、少し手首を動かしただけでも痛みが出たり、物を握る動作や親指を動かすことが難しくなったりします。
特に親指の付け根付近に痛みが出る「ド・ケルバン病」と呼ばれるタイプが代表的です。
◆ 腱鞘炎が起こりやすい人・動作
腱鞘炎は、特別なケガがなくても、**「同じ動作の繰り返し」や「負担の偏り」**によって起こります。
代表的な場面には次のようなものがあります。
- 長時間のパソコンやスマホ操作
- 家事(包丁・洗濯・掃除など)での手首の使いすぎ
- 赤ちゃんの抱っこや授乳など、育児による負担
- 楽器演奏(ピアノ、ギターなど)での繊細な動作の繰り返し
- スポーツ(テニス、バドミントンなど)での手首の酷使
また、女性ホルモンの変化や更年期、妊娠・出産の時期にも腱鞘炎が起こりやすいといわれています。
これは、ホルモンバランスの変化によって関節や腱の柔軟性が一時的に低下し、炎症が起こりやすくなるためです。
◆ 腱鞘炎の主な症状
腱鞘炎の症状は、最初は軽い違和感から始まり、次第に痛みが強くなることが多いです。
次のような症状が見られる場合は注意が必要です。
- 手首や親指の付け根がズキズキ痛む
- 物を持つ、つまむ、握る動作で痛みが強くなる
- 朝起きたときや作業後に痛みが出やすい
- 動かすと「引っかかる」ような感覚がある
- 親指を曲げ伸ばしすると痛みや音がする
これらの症状は、初期のうちに適切にケアすれば改善しやすいですが、無理を続けると慢性化しやすくなります。
◆ 腱鞘炎を悪化させる生活習慣
痛みがある状態で無理に動かすことは、炎症を悪化させる原因になります。
次のような動作や習慣はできるだけ避けましょう。
- 痛みを我慢して手や指を使い続ける
- 手首を反らした状態で作業を続ける
- 長時間同じ姿勢でのデスクワーク
- 冷えた環境での作業(血行が悪くなる)
- 強く握る・ひねるなどの繰り返し動作
特に、冷えや血流の悪化は回復を遅らせる要因になります。
日常生活では、手を冷やさないよう注意することも大切です。
◆ 自宅でできるセルフケアと予防のポイント
腱鞘炎を早く落ち着かせるためには、**「休ませる・温める・負担を減らす」**の3つが基本です。
- 手首をしっかり休ませる
痛みがあるときは、無理に動かさず安静に。サポーターやテーピングで固定するのも有効です。 - 温めて血流を促す
蒸しタオルを当てたり、入浴時に手首を温めたりして、血行を良くしましょう。
ただし、腫れや熱感が強いときは冷やして炎症を抑えることもあります。 - 軽いストレッチや指の運動
痛みのない範囲で、手首をゆっくり回したり、指を開いたり閉じたりして可動域を保ちましょう。 - 道具や姿勢を見直す
パソコン作業では肘の高さを調整し、手首を反らさない姿勢を意識します。
スマホを長時間持つときは、肘を机につけて支えるなど、手首にかかる負担を減らしましょう。 - 手を温める習慣をつける
冷えやすい方は、手袋やリストウォーマーを活用。体全体を冷やさないことも大切です。
◆ 早めのケアで再発を防ぐ
腱鞘炎は「使いすぎ」が主な原因のため、痛みが出たらできるだけ早く休ませることが重要です。
無理をすると回復までに時間がかかり、慢性化するケースもあります。
痛みが続く場合や日常生活に支障が出る場合は、整形外科などの医療機関で相談し、炎症の状態を確認してもらうことも大切です。
早期に適切な対応を行うことで、悪化を防ぎ、再発のリスクを減らすことができます。
◆ まとめ
腱鞘炎は、誰にでも起こる身近な症状です。
日常生活の中で手を使う頻度が多いほど、負担が積み重なりやすくなります。
大切なのは「早めの休息」と「正しい使い方の見直し」。
痛みが軽いうちにケアを行えば、ほとんどの腱鞘炎は回復が期待できます。
普段の動作を少し意識するだけでも、手首への負担を大きく減らすことができます。
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