無意識の「噛み締め」が体に与える影響とは?自律神経との関係
朝起きた時、なんとなくあごが疲れている、こめかみに違和感がある——そんな経験はありませんか?それは、睡眠中に無意識で「噛み締め」をしているサインかもしれません。
噛み締め癖は、自分では気づきにくい上に、体のさまざまな不調を引き起こす原因になります。この記事では、噛み締めがもたらす体への影響や原因、そして今すぐできる対策についてご紹介します。
噛み締めとは?
噛み締めとは、上下の歯を強く接触させる動作のことを指します。通常、リラックスしているとき、上下の歯は接触せず、わずかに隙間があるのが自然です。しかし、ストレスや緊張が高まると、無意識のうちに歯を噛み締めてしまうことがあります。
特に、睡眠中の「睡眠時ブラキシズム(歯ぎしり・噛み締め)」は、本人が自覚しにくく、長期化すると体に大きな負担をかけます。
噛み締めが引き起こす症状
・顎関節の痛みや違和感
・頭痛・肩こり
・歯のすり減りやヒビ
・歯ぐきの炎症
・首・背中の緊張
・睡眠の質の低下
これらの症状は、単独では「噛み締め」と結びつきにくいものばかりですが、根本には共通の原因が潜んでいる場合があります。
噛み締めと自律神経の関係
自律神経とは、体のバランスを保つために無意識に働いてくれている神経のこと。活動モードの「交感神経」と、リラックスモードの「副交感神経」によって構成されています。
噛み締めは、交感神経が優位な状態のときに起こりやすい傾向があります。つまり、ストレスを感じているときや、緊張が続いているときに起こりやすいのです。日中に気づかないうちに歯を食いしばっていたり、夜中に噛み締めている人は、交感神経が過剰に働いているサインかもしれません。
逆に、リラックス時に優位になる副交感神経がうまく働いていると、体も自然と力が抜け、噛み締めも起こりにくくなります。したがって、噛み締めの改善には、自律神経のバランスを整えることも大切なのです。
自律神経の細かな内容はこちらから
原因とセルフチェック
主な原因
1. ストレス・緊張
2. 姿勢の乱れ(猫背など)
3. 咬み合わせの問題
セルフチェック
☑朝、顎が疲れている・だるい
☑歯がすり減っている
☑こめかみに圧迫感
☑集中している時に噛み締めている
☑肩こりが慢性的にある
3つ以上当てはまる場合、噛み締め癖があるかもしれません。
対策・予防法
1. 日中の意識づけ
「上下の歯を離す」意識を持ちましょう。目に入る場所にメモを貼ると効果的です。
2. 自律神経を整える習慣
ぬるめのお風呂、ゆったりした呼吸、香りなどで副交感神経を優位に。特に寝る前はスマホの使用を控え、脳を休ませることがポイントです。
3. マウスピースの使用
歯科医院で作成可能。夜間の歯の保護に有効です。
4. 整体・ボディケア
噛み締めの原因が首や肩の緊張から来ている場合、専門的なケアでバランスを整えるのも有効です。
おわりに
噛み締めは、一見些細な癖でも、放っておくと体全体に影響します。自律神経の乱れとも深く関係しているため、「力が入りすぎてないかな」と、こまめに自分の状態を振り返ることが何よりの予防になります。
毎日の中に、ほんの少しでも「ゆるめる時間」をつくってみてください。その積み重ねが、体と心を本来の状態へと導いてくれます。