産後に歪みやすい体、その原因は日常のクセ?抱っこ・寝姿勢・姿勢の落とし穴
出産を終え、ホッと一息つく間もなく始まる育児生活。赤ちゃんの抱っこや授乳、寝かしつけに追われる日々の中で、「なんだか体が歪んできた気がする…」「骨盤がズレてる?」と感じたことはありませんか?
産後の女性の身体は、非常に繊細なバランスで成り立っています。妊娠中に大きく広がった骨盤や緩んだ靭帯は、産後しばらく時間をかけて元に戻っていきます。しかし、この「戻る力」に対して、日常生活の中で生じる“悪いクセ”が加わると、逆に歪みが進行してしまうのです。
■ なぜ産後は歪みやすいのか?
妊娠・出産によって骨盤周りの靭帯や筋肉は一時的に柔らかくなり、不安定な状態になります。これはホルモン(リラキシンなど)の影響で自然なことですが、このタイミングで左右どちらかに負荷がかかると、骨盤が「ズレたまま」固定されてしまうこともあります。
例えば…
赤ちゃんを利き手側でばかり抱っこする
いつも同じ方向を向いて添い寝・授乳する
片足重心で立つクセがある
ソファに浅く座る・猫背でスマホを見る
こうした些細な動作が、体の左右差や前後のバランスを崩し、次第に全体の姿勢へと影響を及ぼしていきます。
■ 特に注意したい3つのクセ
1. 抱っこの偏り
利き手側でばかり赤ちゃんを抱くと、肩~骨盤まで同じ側に引っ張られます。肩は上がり、反対側の腰は落ちることで、体全体が“ねじれる”ような状態に。これは腰痛や肩こり、さらには恥骨痛などの原因にもなります。
2. 寝る向きの固定
赤ちゃんと添い寝する場合、多くのお母さんは無意識に「赤ちゃん側」に身体を向けます。これが毎晩続くと、筋肉や筋膜の緊張に左右差が生まれ、骨盤や背骨の位置がズレやすくなります。
3. 座り方や立ち方のクセ
片足重心で立つ、浅く座って背もたれにもたれるなど、育児の合間の“ちょっとした姿勢”が歪みの大きな原因に。特に内転筋(太ももの内側)や骨盤底筋の筋力が落ちている産後は、無意識の姿勢の悪さが体のゆがみを進行させてしまいます。
■ 歪みが引き起こす体の不調とは
体のバランスが崩れると、それを支えようと他の筋肉が過剰に働き始めます。すると、以下のような不調が出やすくなります。
慢性的な腰痛・肩こり
股関節の違和感
お尻や太ももの張り感
恥骨の痛み
疲れやすさ・睡眠の質の低下
これらは「育児疲れかな?」と流されがちですが、実は歪みが根本原因になっていることも多いのです。
■ 今からできるセルフケア&改善法
1. 左右交互に抱っこする意識を持つ
最初は違和感がありますが、左右を意識して使うことで筋肉の偏りを防げます。
2. 寝る向きを意識的に変える
毎晩は難しくても、週に数回でも逆向きに寝るよう意識することで偏りを防ぎます。
3. 簡単なストレッチや骨盤体操を取り入れる
骨盤周辺の筋肉をゆるめたり整えたりすることで、元の位置に戻りやすくなります。とくに産後1年以内は調整しやすい時期といわれているため、早めの対策が重要です。
■ 歪みが気になるときは専門のケアも選択肢に
体の歪みが進んでしまった場合、自力での改善には限界があります。当院では、筋膜のつながりを活かした全身整体により、骨盤だけでなく全体のバランスを整える施術を行うコースもご用意しておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。